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未払い賃金立替払制度の労働者に関する要件とは?

未払い賃金立替払い制度を利用するためには,労働者に関する要件として,当該従業員が,①未払い賃金があったとする期間中に,当該使用者・事業主に雇用され,労働基準法上の労働者として勤務していた者であること,②使用者たる法人による破産手続開始の申立て,特別清算手続開始の申立て,民事再生手続開始の申立て,会社更生手続開始の申立て,または,事実上の倒産について労働基準監督署長の認定の申請の前6か月前の日から2年間以内に退職した者であることが必要となります。

以下では,未払い賃金立替払い制度を利用するための労働者に関する要件にはどのようなものがあるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士が詳しくご説明いたします。

未払い賃金立替払い制度の労働者に関する要件

会社など法人が倒産したことにより賃金を支払ってもらえないまま退職を余儀なくされた従業員・労働者を救済するため,独立行政法人労働者安全健康機構が倒産した法人に代わって未払い賃金などを立替払いしてくれる「未払い賃金立替払い制度」という公的制度が設けられています。

もっとも,この未払い賃金立替払い制度はどのような場合でも利用できるわけではありません。法律で定められた一定の要件を満たしていなければ利用できません。

この未払い賃金立替払制度の利用要件には,労働者に関するものもあります。未払い賃金立替払制度における労働者に関する要件としては,以下のものがあります。

  • 未払い賃金があったとする期間中に,当該使用者・事業主に雇用され,労働基準法上の労働者として勤務していた者であること
  • 労働者が,使用者たる法人による破産手続開始の申立て,特別清算手続開始の申立て,民事再生手続開始の申立て,会社更生手続開始の申立て,または,事実上の倒産について労働基準監督署長の認定の申請の前6か月前の日から2年間以内に退職した者であること

>> 未払い賃金立替払い制度の利用要件とは?

労働基準法上の労働者であったこと

未払い賃金立替払制度を利用するためには,立替払いを請求する賃金が発生したとする期間中に,労働基準法上の労働者であったことが必要です。

例えば,平成28年1月1日から平成28年3月31日まで働いた分の賃金立替払いを請求するのであれば,その期間中,労働基準法上の労働者であったことが必要となるということです。

この労働基準法上の労働者とは,「職業の種類を問わず,事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で,賃金を支払われる者をいう」とされています(労働基準法9条)。

職業の種類は問われませんが,「事業に使用される者」であり,「賃金を支払われる者」であることが求められていますから,その従業員と事業主との間の契約は,労働契約であることが前提となっています。

もっとも,従業員と事業主の間の契約が,形式上は請負契約や業務委託契約などとされていたとしても,実質的にみれば労働契約であると言える場合には,その従業員は労働基準法上の労働者と認められます。

ただし,実質的に労働基準法上の労働者といえるかどうかの判断は,実際にはそれほど簡単ではありません。さまざまな事情を総合的に考慮して判断するほかありません。

労働基準法上の労働者といえるかどうかの判断要素については,昭和60年12月19日付労働基準法研究会報告「労働基準法上の『労働者』の判断基準について」(昭和60年報告)が参考になるでしょう。

なお,会社の取締役は労働者ではありませんから,役員報酬について未払い賃金立替払制度を利用することはできないのが原則です。

ただし,会社の取締役であっても,取締役としての地位は名目にすぎず実質は労働基準法上の労働者であると言える場合,取締役兼従業員であり従業員としての労働については労働基準法上の労働者といえる場合には,未払い賃金立替払制度の利用が認められることもあり得ます。

破産手続開始等申立て6か月前の日から2年以内に退職したこと

未払い賃金立替払制度を利用するためには,立替払い請求をする労働者・従業員が,事業主の破産手続開始の申立て,特別清算手続開始の申立て,民事再生手続開始の申立て,会社更生手続開始の申立て,または,事実上の倒産について労働基準監督署長の認定の申請の前6か月前の日から2年間以内に退職した者であることが必要となります。

例えば,事業主の破産手続開始申立ての日が平成28年1月1日であったとすると,その6か月前である平成27年7月1日から2年間以内(平成29年6月30日まで)に退職していることが必要ということです。

事業主の破産手続開始等申立ての日から6か月以上前にすでに退職している労働者については,未払い賃金立替払い制度を利用できません。

そのため,使用者・事業主としては,賃金の未払いがある状態で従業員を解雇するなどした場合,倒産手続をとるまでにあまり時間をかけてしまうと,その従業員が未払い賃金立替払制度を利用できなくなってしまうこともあるので,注意が必要でしょう。

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