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会社更生手続

会社更生は民事再生とどこが違うのか?

会社更生手続(更生手続)と民事再生手続(再生手続)は,再建型の法的整理手続です。裁判所の関与のもとに,会社の経営を継続し,会社財産を一定の範囲で維持しつつ,経営再建のための計画案を策定し,それについて債権者から一定数以上の同意を得ることによって裁判所の認可を受け,その計画に基づいた再建計画を遂行していく手続である点は共通しています。しかし,根拠法律,適用対象となる債務者,経営陣・株主の地位の変動の有無,担保権の取扱い,手続の遂行などにおいて違いがあります。

以下では,会社更生手続(更生手続)と民事再生手続(再生手続)の違いについて,東京 多摩 立川の弁護士が詳しくご説明いたします。

再建型の倒産手続

倒産手続には,裁判所の関与の下で裁判手続によって倒産処理を行う法的整理と,裁判外において倒産処理を行う私的整理があります。民事再生会社更生とは,いずれも,法的整理に属する倒産手続です。

また,倒産手続は,法人・会社を清算することを目的とする清算型と法人・会社を再建することを目的とする再建型に分類することができますが,民事再生と会社更生は,いずれも再建型手続に属します。

したがって,会社更生と民事再生とは,いずれも,再建型の法的整理手続であるという共通点があります。実際,手続上も類似点があります。

民事再生・会社更生手続のいずれも,債務者である会社について破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがある場合または事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができない場合に利用できるとされています。

そして,いずれの手続も,裁判所の関与のもとに,会社の経営を継続し,会社財産を一定の範囲で維持しつつ,経営再建のための計画案を策定し,それについて債権者から一定数以上の同意を得ることによって裁判所の認可を受け,その計画に基づいた再建計画を遂行していくという点では同じです。

ただし,再建型法的整理の基本類型は民事再生です。大規模株式会社の再建について特に厳格かつ公平な手続をに行うために設けられた特別類型の再建型法的整理手続が会社更生です。

そのため,会社更生と民事再生には,いくつかの点で違いがあります。

>> 再建型の倒産手続とは?

民事再生法と会社更生法

前記のとおり,再建型の法的整理手続には,民事再生手続(再生手続)と会社更生手続(更生手続)がありますが,そもそもこの両者は根拠となる法律が異なります。

民事再生手続は「民事再生法」という法律に基づく手続ですが,会社更生手続は「会社更生法」という法律に基づく手続です。

民事再生手続に相当する制度として,和議法に基づく和議手続が存在していました。しかし,和議手続は使い勝手が悪い面が多いため批判もありました。

そこで,和議手続の長所を活かしつつ,より利便性の高い制度の構築を目指して,平成12年に制定された法律が民事再生法です。

会社更生法は,民事再生法制定以前から存在していましたが,こちらも,民事再生法制定後の平成14年に全面的に改正されています。

適用の対象となる債務者

民事再生手続と会社更生手続とでは,その手続の対象となる債務者の範囲にも違いがあります。

民事再生手続は,個人・法人のいずれも適用対象となります。法人についていうと,どのような種類の法人でも適用対象となりますし,個人については個人再生と呼ばれる簡易化された手続も用意されています。

これに対して,会社更生手続は,株式会社しか適用の対象とされていません。個人は適用対象となりませんし,株式会社以外の合同会社や合資会社,会社以外の法人も適用の対象にならないとされています。

したがって,株式会社以外の法人が再建型法的整理を利用する場合には,民事再生手続を利用することになります。

また,法的要件というわけではありませんが,会社更生法は,倒産によって社会的な影響を与えかねないほどの大企業の再建を図るために設けられている制度です。

そのため,事実上,会社更生法は,大企業しか利用できないほど複雑かつ厳格な手続となっています。中小企業の場合には,民事再生手続を利用することになるでしょう。

経営陣・株主の変動

民事再生・会社更生のいずれも,会社の経営を継続しつつ再建を図っていくことになります。

民事再生手続の場合,経営陣の交替は必須とされていません。裁判所・監督委員の指導・監督はありますが,従来の経営陣によって再生手続が進められていくのが通常です。

また,民事再生手続の場合,株主構成の変動も必須とされていませんので,株主の地位に変動が生じません。ただし,減資された場合には,株主の地位を失うことはあり得ます。

これに対して,会社更生手続の場合には,経営陣の交替が必要となるのが原則です。加えて,更生計画案によって100パーセント減資され,株主に変動が生じるのが通常です。

担保権の取扱い

民事再生と会社更生とでは,担保権の取扱いにも違いがあります。

民事再生の場合,担保権は別除権として扱われます。そのため,担保権者は手続外で担保権を実行して債権の回収を図ることが認められています。

これに対し,会社更生の場合には,担保権も更生担保権として手続内に取り込まれることになります。そのため,担保権者であっても,手続外で優先的な債権回収を図ることはできないことになります。

手続の遂行

民事再生手続も会社更生手続も,裁判所の関与によって手続が進められていきます。

もっとも,民事再生の場合には,裁判所によって監督委員が選任され,その監督委員が手続を指導・監督することにはなりますが,実際に手続を進めていくのは再生債務者である会社です。

前記のとおり,民事再生の場合には経営陣の交替が必須とされていませんが,手続は従来の経営陣が進めていくことになるのが通常でしょう。

他方,会社更生の場合には,手続を進めていくのは,更生債務者ではなく,裁判所によって選任された更生管財人です。

ただし,近時は,会社更生においても,更生債務者側から更生管財人が選任される例もあります。その場合には,更生債務者が手続を進めていくのと同様の状況になるでしょう。

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