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法人・会社の破産手続

法人破産・会社破産申立て前に役員報酬を支払ってもよいのか?

取締役・理事(役員)の報酬請求権は,借入金や買掛金などと同じく一般の破産債権です。優先されるべきものではありません。したがって,法人破産・会社破産申立て前であっても,支払不能や債務超過の状況に陥った後に役員報酬を支払ってしまうと,法人破産・会社破産の手続開始後に,破産管財人による否認権行使の対象となることがあります。

以下では,法人破産・会社破産申立て前に役員報酬を支払ってもよいのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

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役員報酬の請求権の取扱い

労働者・従業員が使用者である会社から給料などの賃金をもらう権利は,雇用契約・労働契約に基づくものです。

この労働者の賃金請求権は,財団債権または優先的破産債権とされており,一般の破産債権よりも優先される権利とされています。したがって,一般の破産債権に先立って弁済または配当を受けることができます。

これに対して,取締役・理事(役員)と会社との関係は,委任契約またはそれに準ずる契約関係にあると解されています。

そのため,役員が報酬を法人・会社に請求する根拠は,それらの契約関係に基づく受任者としての報酬請求権ということになります。

そして,この役員報酬の請求権は,労働者の賃金請求権のように優先されるべきものとはされていません。

つまり,取締役・理事の役員報酬請求権は,借金や買掛金などの債権と同じく,一般の破産債権にすぎないのです。

>> 破産手続における債権者の立場

破産手続における役員報酬の支払い

前記のとおり,代表者・取締役らの役員報酬請求権は,一般の破産債権です。したがって,他の一般破産債権と同様に扱われることになります。

具体的にいえば,役員報酬は,破産手続においては配当手続によってのみ満足を受けることができるにとどまります。

配当手続のみで満足を受けることができるにとどまので,破産財団から直接弁済を受けることはできません。

また,一般の破産債権に配当すべき破産財団がなければ支払いを受けることができず,仮に配当すべき破産財団があっても,他の一般の破産債権との間で債権額に応じた案分比例で配当を受けることができるにすぎないということです。

>> 破産債権・破産債権者とは?

役員報酬を支払ってしまった場合

通常の事業運営・営業をしている場合に,代表者・取締役らに対して役員報酬を支払うことは何ら問題がありません。

しかし,破産手続開始の原因がある状態,すなわち,法人・会社の破産の場合でいえば,支払不能や債務超過の状態にある場合,あるいは,他の破産債権者に対してはすでに支払いを停止している場合に,役員報酬だけを支払ってしまうと,否認権行使の対象になることがあります。

他の債権者に対しては支払いをしていないのに,役員にだけは支払いをしているのですから,債権者平等に反します。そのため,いわゆる偏頗弁済になり,否認権行使の対象となるということです。

また,すでに支払不能や債務超過の状態にあるということは,役員報酬を支払ってしまうと,他の債権者に対する配当などが減少してしまう可能性があります。

それにもかかわらず役員報酬を支払うということは,他の債権者を害する意図のある詐害行為として否認権行使の対象となることもあり得るでしょう。

破産管財人によって否認権が行使されると,取締役・理事は,すでに支払いを受けた役員報酬を,破産管財人に対して返還しなければならなくなります。

もし,その取締役・理事も法人・会社と一緒に自己破産をしていた場合には,この否認権行使の対象となる支払い済みの役員報酬だけ免責されない非免責債権となる可能性もあります。

また,取締役が個人再生をしていたという場合であれば,その否認権行使をされている金額が再生債権額に加算される(または非免責債権とされる)ことによって,資力が不足していると判断され,個人再生の再生計画が不認可となるようなこともあり得ます。

したがって,法人・会社がすでに債務超過等の危機時期にあるという場合には,役員報酬の支払いは控えておいた方がよいでしょう。

>> 破産管財人の否認権とは?

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