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法人・会社の破産手続

法人・会社の破産手続の廃止とは?

破産手続の廃止とは,裁判所の決定によって,破産者の清算が終了する前に破産手続を終了させることをいいます。破産手続の廃止には,同時廃止・異時廃止・同意廃止の3種類があります。

以下では,法人・会社の破産手続の廃止とは何かについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

破産手続の廃止とは?

破産手続においては,裁判所により選任された破産管財人が,破産者である法人・会社の財産を調査・回収・管理・換価処分します。

そして,換価処分によって得られた金銭は,破産手続費用に充てられ,その余は債権者への弁済または配当に充てられます。

もっとも,破産者に換価処分すべき財産がほとんど無く,破産手続費用さえ賄えないような場合や,すべての債権者が清算をしなくてもよいことを同意している場合には,破産手続を続けていく意味がありません。

そこで,裁判所の決定によって,破産者の清算が終了する前に破産手続を終結させる場合があります。これを破産手続の廃止といいます。

破産手続の廃止には,以下の種類があります。

>> 破産手続はどのような場合に終了するのか?

同時廃止

破産法 第216条 第1項

裁判所は,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは,破産手続開始の決定と同時に,破産手続廃止の決定をしなければならない。

前記のとおり,破産手続においては,破産者の財産を換価処分して,それによって得られた金銭で破産手続費用を賄い,余剰は債権者に弁済または配当します。

もっとも,破産者に換価処分すべき財産が無いという場合も珍しくはありません。その場合,債権者への弁済・配当はおろか,破産手続費用を賄うことすらできないということもあり得ます。

弁済または配当すべき財産が無い以上,破産手続を続けておく意味がありません。そのため,破産手続は「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」に廃止されます。

この「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する」かどうかは,破産管財人によって破産者の財産の調査がなされた後で判明するのが通常です。

しかし,事案によっては,破産手続開始決定の時点で,すでに「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する」ことが明らかであるということもあります。

そこで,破産手続開始決定の時点ですでに「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」には,破産手続は破産手続開始と同時に廃止されます。

これを「同時廃止」といいます(破産法216条1項)。

同時廃止の場合,裁判所は,破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定(同時廃止決定)をすることになります。

破産手続の開始と同時に破産手続が廃止によって終了するので,破産管財人は選任されず,したがって,破産管財人による調査等も行われないことになります。

>> 破産手続の同時廃止とは?

法人・会社の破産における同時廃止

個人の破産の場合には,破産手続開始時において換価処分すべき財産が無く,しかも,そのことが明らかであるということが少なくありません。そのため,同時廃止で終了することはあり得ます。

同時廃止で終了すると,前記のとおり,破産管財人は選任されず,調査等も行われないので,費用が少額で済み,手続自体も早く終了します。

しかし,法人・会社の場合,個人の場合よりも利害関係人が多数あり,法律関係も複雑であることから,十分な調査をする必要があります。

そのため,法人・会社の破産手続の場合には,破産管財人が選任される管財事件として扱われ,同時廃止にはされないのが原則です。

実際,東京地裁をはじめ多くの裁判所では,法人・会社の破産については同時廃止としないという運用をとっています。

>> 法人・会社の破産手続も同時廃止で終了するのか?

異時廃止

破産法 第217条 第1項

裁判所は,破産手続開始の決定があった後,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは,破産管財人の申立てにより又は職権で,破産手続廃止の決定をしなければならない。この場合においては,裁判所は,債権者集会の期日において破産債権者の意見を聴かなければならない。

同時廃止によって終了しなかった場合でも,破産管財人の調査の結果,「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する」ことが判明することがあります。この場合も,破産手続は廃止されます。

このように,破産手続開始後に「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」に破産手続を廃止することを,「異時廃止」といいます(破産法217条1項)。

同時廃止が破産手続開始決定と同時に廃止とされるのに対して,破産手続開始後に,破産手続開始決定とは異なる時期に破産手続が廃止されることから異時廃止と呼ばれています。

異時廃止の決定がされるのは,すでに破産手続が開始され,破産管財人が選任された後です。つまり,異時廃止になるのは管財事件の場合であるということです。

そのため,同時廃止の場合には,裁判所は職権で廃止決定をしますが,異時廃止の場合には,職権による場合だけでなく,破産管財人の申立てによっても廃止決定をすることができます。

また,同時廃止の場合には,破産手続開始決定と同時であるため,破産債権者の意見を聴取せずに廃止決定がされますが,異時廃止の場合には,破産債権者の意見を聴取しなければならないとされています。

ただし,破産債権者が異時廃止に反対する意見を述べたからといって,それに裁判所が従わなければならないわけではありません。あくまで,参考のために聴取するというだけです。

法人・会社の破産手続は,基本的に,この異時廃止か,または,配当後の終結決定によって終了することになるでしょう。

同意廃止

破産法 第218条 第1項

裁判所は、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当する破産者の申立てがあったときは,破産手続廃止の決定をしなければならない。
① 破産手続を廃止することについて,債権届出期間内に届出をした破産債権者の全員の同意を得ているとき。
② 前号の同意をしない破産債権者がある場合において,当該破産債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているとき。ただし,破産財団から当該担保を供した場合には,破産財団から当該担保を供したことについて,他の届出をした破産債権者の同意を得ているときに限る。

前記の同時廃止や異時廃止は,時期の違いこそあれ,「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるとき」に破産手続を廃止するというものです。

しかし,これらとは異なる理由から,破産手続が廃止される場合もあります。それが,「同意廃止」の場合です。

同意廃止とは,破産手続を廃止することについて,破産手続において配当を受けることができる破産債権者(債権届出期間内に届出をした破産債権者)の全員が同意している場合等に,破産者の申立てによって,破産手続廃止決定をすることをいいます(破産法218条1項)。

破産手続において配当を受けることができる破産債権者の全員が破産手続を廃止させることに同意しているのであれば,破産者の清算を完了させずに,もっと具体的にいうと,配当を行わずに手続を廃止させたとしても,破産債権者の利益を害するとはいえません。

また,廃止に同意していない届出破産債権者がいたとしても,その不同意債権者に対して裁判所が相当と認める担保を供しているのであれば,不同意債権者は破産手続外で担保を実行して債権回収をすればよいのですから,不同意債権者の意見を除いても問題ありません。

そこで,届出破産債権者の全員が同意している場合,または,不同意の届出債権者がいる場合でも,その不同意債権者には裁判所が相当と認める担保を供しており,それ以外の届出破産債権者は全員同意している場合には,破産手続を廃止にできるのです。

ただし,不同意債権者への担保供与が,破産財団中の財産によって行われいる場合には,その債権者以外の届出破産債権者がそのことに同意していなければなりません。

また,同意廃止は,裁判所の職権または破産管財人の申立てによってすることはできず,破産者の申立てが必要とされています。

配当をしないことに同意する債権者は非常に稀ですから,実務上,同意廃止で破産手続が終結することはほとんどありません。

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