法人・会社の破産手続イメージ

法人・会社の破産手続

法人・会社が破産すると滞納している税金や社会保険料はどうなるのか?

破産手続開始決定がされると,法人・会社は解散し,破産手続の終了をもって法人格が消滅します。債務者が消滅する以上,債権も消滅せざるを得ませんから,その法人・会社に対する滞納税金や滞納社会保険料の請求権も消滅します。したがって,法人・会社が破産すると,滞納している税金や社会保険料を支払わなくてもよいのが原則です。

以下では,法人・会社が破産すると滞納している税金・社会保険料はどうなるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

弁護士による法人・会社倒産【無料相談】のご予約

お電話 042-512-8890
※予約制(ご予約受付は平日9:30~18:30)

東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所

法人・会社の消滅と滞納税金等債権の消滅

破産手続は,裁判所による破産手続開始決定(かつては「破産宣告」と呼ばれていた決定)によって開始されます。

破産手続開始決定がされると,その法人・会社は解散します(会社法471条1項,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律148条,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律202条等)。

そして,破産手続が終了すると,破産者である法人・会社の法人格は,原則として消滅します。つまり,破産手続の終了により,その法人・会社が消滅してなくなるということです。

※なお,解散してもただちに法人格が消滅するわけではなく,破産手続中は清算の目的の範囲内において法人格が存続するものとみなされます(破産法35条)。

それでは,その法人・会社に対する債権はどうなるのでしょうか?

結論から言えば,法人・会社が破産した場合,その法人・会社に対する債権も最終的に消滅するのが原則です。

その法人・会社に対する債権は,破産手続において,破産法人・破産会社の財産を換価処分して得た金銭から弁済または配当を受けますが,全額の弁済または配当を受けることはできないのが通常でしょう。

しかし,不足部分を請求しようにも,破産手続の終了によって,債務者である法人・会社は消滅しています。債務者がいなくなれば,債権は存在意義を失います。つまり,債権も消滅するということです。

このことは,滞納している税金や社会保険料などの請求権でも同様です。

滞納税金や滞納社会保険料等を請求しようとしても,債務者である法人・会社が破産によって消滅してしまうのですから,やはり滞納税金等の債権も消滅せざるを得ないのです。

法人・会社が破産した場合,滞納していた税金や社会保険料を支払う必要はなくなるのが原則なのです(なお,例外については後述)。

>> 法人・会社の破産における破産手続開始の効果

個人(自然人)破産との混同による誤解

「法人・会社を自己破産させても,滞納している税金や社会保険料は支払わなければならない」と勘違いされている方が,少なからずいます。

自称倒産専門家などが,インターネットなどで堂々と上記のような間違った記載をしている場合も散見されます。

しかし,前記のとおり,破産によって債務者である法人・会社それ自体がなくなってしまうのですから,(後述の例外的場合を除き)支払いのしようがありません(債権者からみれば,請求する相手がいないということになります。)。

法人・会社が自己破産したら,滞納している税金や社会保険料も,原則として消滅すると考えるほかないのです。

それにもかかわらず,「法人・会社が自己破産しても税金や社会保険料は支払わなければならない」という勘違いが生まれてしまうのは,おそらく,法人・会社の破産と個人(自然人)の破産とを混同してしまっているところに理由があるのではないかと思われます。

個人破産の場合,破産したからといって,破産者である個人が消滅するはずがありません。したがって,滞納税金や社会保険料等の債権も消滅しません。

しかも,税金や社会保険料の債権は非免責債権でとされていますから,免責もされません。

そのため,個人破産の場合には,法人・会社の破産の場合と異なり,破産をしたとしても,税金や社会保険料の支払義務がなくならないのです。

法人・会社の破産でも税金や社会保険料はなくならないという誤解は,上記の個人破産の場合と混同してしまっているところからきているのではないかと思われるのです。

>> 法人・会社の破産と個人破産の違い

例外的に税金等の支払が残る場合

前記のとおり,滞納している税金や社会保険料などの債権も,法人・会社の破産手続が終了すれば消滅します。したがって,その支払いが残るということは,原則としてありません。

もっとも,ごく例外的に,法人・会社の破産手続が終了しても,その滞納税金や滞納社会保険料を別の人や会社が支払わなければならないということがあり得ます。

例えば,合名会社・合同会社の無限責任社員は,会社が破産したとしても,会社に代わって税金や社会保険料を支払う必要があります。

また,破産法人・破産会社の財産や事業を,無償または廉価で財産を譲り渡している場合,その譲受人が,第二次納税義務者として,破産法人・破産会社に代わって税金や社会保険料の支払いをしなければならないことがあります。

ただし,譲り渡した財産が,破産手続における破産管財人否認権行使によって破産財団に組み入れられた場合には,問題にならないでしょう。

さらに,税金の支払いについて保証(納税保証)をしている場合には,その保証人が,法人・会社に代わって,税金を支払う必要があります。

納税保証人になっている例は少ないと思われますが,脱税や悪質な申告漏れ等によって追徴されている税金を滞納している場合には,代表者等に対して厳しく税金保証を迫られるというケースもあるようです。

したがって,税金や社会保険料の滞納があるような場合には,上記のようなケースに該当しないかどうかも検討しておく必要があるでしょう。

滞納税金等の債権の破産手続における取扱い

破産手続においては,破産管財人が破産法人・破産会社の財産を換価処分し,それによって得た金銭を,債権者に弁済または配当することになります。

税金や社会保険料の請求権も,他の借入金などの債権と同様に,破産手続における弁済や配当によって満足を得ることになります。

ただし,税金等の請求権は,他の債権よりも優先的な地位に置かれています。そのため,破産手続における弁済・配当において,他の債権よりも優先した支払いがなされます。

すなわち,破産手続開始前の原因に基づいて発生した,納期限が未到来又は納期限から1年経過していない税金等の債権は財団債権とされ,破産債権よりも優先的に,かつ,破産手続外で(配当に参加せずに)弁済されます(開始後でも財産管理費用に該当するようなものは財団債権になります。)。

また,それ以外の税金等の債権は,劣後的破産債権に当たるものを除いて優先的破産債権とされるので,配当手続でなければ支払いを受けられないものの,一般破産債権よりも優先的に配当を受けることができるとされています。

これらの弁済・配当によっても支払いきれなかった税金や社会保険料の請求権は,前記のとおり,破産手続終了による法人・会社の消滅とともに消滅することになります。

>> 法人・会社の破産手続における租税等請求権の取扱い

滞納している税金・社会保険料の取扱いに関連する記事

弁護士による法人・会社倒産【無料相談】のご予約

お電話042-512-8890
※予約制(ご予約受付は平日9:30~18:30)

東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所

この記事がお役に立ちましたらシェアお願いいたします。

法人・会社の破産のことならLSC綜合法律事務所まで!

法人・会社の自己破産でお困りの方がいらっしゃいましたら,債務相談2500件以上,自己破産申立て300件以上,破産管財人経験もある東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所にご相談ください。

ご相談は無料相談です。

※なお,当事務所にご来訪いただいてのご相談となります。お電話・メール等による相談は承っておりません。予めご了承ください。

>> 税金滞納で法人破産・会社破産に強い弁護士をお探しの方へ

東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所

LSC綜合法律事務所ロゴ 名称:LSC綜合法律事務所

住所:190-0022 東京都立川市錦町2丁目3-3 オリンピック錦町ビル2階
ご予約のお電話:042-512-8890

ホームページ:

代表弁護士:志賀 貴(日弁連登録番号35945・旧60期・第一東京弁護士会本部および多摩支部所属)

LSC綜合法律事務所までのアクセス・地図

  • JR立川駅(南口)および多摩都市モノレール立川南駅から徒歩5~8分ほど
  • お近くにコインパーキングがあります。

>> LSC綜合法律事務所のご案内

弁護士による法人・会社倒産【無料相談】のご予約

お電話042-512-8890※予約制(ご予約受付は平日9:30~18:30)

東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所

このページの先頭へ