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法人・会社の破産手続

ユーザーである法人・会社が破産するとリース契約はどうなるのか?

ユーザー(レッシー)である法人・会社について破産手続が開始された場合でも,リース契約は当然には終了しません。したがって,破産管財人は,当該リース契約を清算させる処理を行う必要があります。どのような処理を行うのかは,リース物件が引き渡し済みか否か,ファイナンス・リースなのかオペレーティング・リースなのか,ファイナンス・リースであったとして,フルペイアウト方式か否かなどによって異なってきます。

以下では,ユーザーである法人・会社が破産するとリース契約はどうなるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

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リースユーザである法人・会社が破産した場合

リース契約におけるユーザー(レッシー)側の法人・会社について破産手続開始された場合でも,当該リース契約は当然には終了しません。

したがって,ユーザーである法人・会社の破産管財人は,破産手続開始後,そのリース契約を清算する処理を行わなければなりません。

もっとも,リース契約と言っても,さまざまな形態のリース契約があります。大きく分ければ,リースの形態には,ファイナンス・リースとオペレーティング・リースがあります。

しかし,この区分は流動的な区分に過ぎません。ファイナンス・リースやオペレーティング・リースにも様々な形態があります。

そのため,破産手続においてリース契約をどのように取り扱うべきかは,それぞれのリース契約の実体に即して個々の事案ごとに個別に判断する必要があります。

>> 法人・会社が破産するとリース契約関係はどうなるのか?

ファイナンス・リース契約の場合

ファイナンス・リース契約とは,「リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で,借手が,当該契約に基づき使用する物件(以下「リース物件」という。)からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ,かつ,当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引」に係るリース契約のことを言います(リース取引に関する会計基準5条)。

このファイナンス・リースにはフルペイアウト方式のファイナンス・リースというものがあります。

フルペイアウト方式のファイナンス・リースとは,リース期間満了時にリース物件に残存価値はないものとみて,リース業者がリース物件の取得費用等の投下資本を全額回収できるようにリース料が算定される形態のファイナンス・リースのことです。

ファイナンス・リース契約のユーザー(レッシー)が破産した場合のリース契約の処理については,リース物件がユーザーに引き渡されているかどうか,または,形態がフルペイアウト方式のものか否かなどによって異なってきます。

リース物件の引き渡しがされていない場合

リース契約締結後,リース物件の引渡し前にユーザーである法人・会社について破産手続が開始された場合,いまだ,ユーザーによるリース料の支払債務も,リース業者による物件の引渡債務も未履行です。

したがって,双方未履行双務契約として処理されることになります。

具体的には,破産管財人が,当該リース契約を解除するか,または,リース料支払債務を履行するかを選択します(破産法53条1項)。

破産管財人が契約解除を選択した場合

法人・会社が破産した場合,事業を停止し,リース物件を利用する必要はなくなっているのが通常ですから,契約解除が選択されることが多いでしょう。

契約が解除された場合,リース業者が有するリース料請求権は,支払期限未到来の未払部分も含めてその全額について破産債権となります。

リース業者は,ユーザーのリース物件利用権を担保目的物とした担保権(質権または譲渡担保権)を有していると解されています。したがって,リース料請求権は,別除権付破産債権として扱われます。

また,リース業者は,上記別除権を行使してリース利用権を消滅させることができ,リース物件の所有権に基づく取戻権を行使して,破産管財人に対して,リース物件の返還を求めることができると解されています。

破産管財人は,上記リース業者からの返還請求に応じて,リース物件をリース業者に返還することになります。

ただし,返還を受けたリース業者には清算義務があると解されています(最三小判昭和57年10月19日)。したがって,清算によって生じた利益はリース料請求権に充当され,残額のみが破産債権となります。

破産管財人が履行を選択した場合

破産管財人が事業継続をする場合や清算業務処理が必要となる場合には,それらを完了するまでの間,にリース物件を利用しなければならないこともあり得ます。

そのような場合には,破産管財人においてリース料支払債務の履行を選択し,リース物件を引き続き利用するということもあり得ます。

リース業者側は,破産管財人によるリース料支払い前の時点で,すでにユーザーが履行遅滞に陥っていた場合には,債務不履行を理由として契約を解除できます。

しかし,そうでない場合には契約を解除できず,破産管財人によるリース物件の使用を妨げることはできません。

この点,リース契約においてユーザーが破産した場合にリース契約を解除できるとする倒産解除特約が定められている場合でも,リース業者は,当該特約に基づく契約解除をすることはできないと解されています。

リース物件の引渡しがされている場合

リース契約締結後,リース物件の引渡後に,ユーザーである法人・会社について破産手続が開始された場合については,まず,双方未履行双務契約として破産法53条1項の適用があるか否かを検討する必要があります。

フルペイアウト方式のファイナンス・リースの場合

この点,ファイナンス・リース契約の法的性質について,最高裁判所は,「ファイナンス・リース契約は,物件の購入を希望するユーザーに代わって,リース業者が販売業者から物件を購入のうえ,ユーザーに長期間これを使用させ,右購入代金に金利等の諸経費を加えたものをリース料として回収する制度であり,その実体はユーザーに対する金融上の便宜を付与するものであるから,リース料の支払債務は契約の締結と同時にその全額について発生し,ユーザーに対して月々のリース料の支払という方式による期限の利益を与えるものにすぎず,また,リース物件の使用とリース料の支払とは対価関係に立つものではない」と解しています(最一小判平成5年11月25日)。

また,破産手続の事案ではありませんが,会社更生手続におけるフルペイアウト方式のファイナンス・リース契約については,「その実質はユーザーに対して金融上の便宜を付与するものであるから,右リース契約においては,リース料債務は契約の成立と同時にその全額について発生し,リース料の支払が毎月一定額によることと約定されていても,それはユーザーに対して期限の利益を与えるものにすぎず,各月のリース物件の使用と各月のリース料の支払とは対価関係に立つものではない」ため,「リース業者は,ユーザーに対してリース料の支払債務とけん連関係に立つ未履行債務を負担していない」と解しています(最二小判平成7年4月14日)。

これらの考え方によると,フルペイアウト方式のファイナンス・リース契約は,リース物件の引渡し完了によってリース業者側に債務は無くなったことになるため,賃貸借契約のような双務契約ではないと考えることになるでしょう。

したがって,すでにリース物件が引き渡されている場合には,双方未履行双務契約とはならず,破産法53条1項の適用はないことになります。

破産法53条の適用がない以上,破産管財人は,リース契約を解除することはできません。

もっとも,リース物件の利用を継続する必要がある場合であれば,破産管財人はリース料金を支払うことなるでしょうが,そうでない場合はリース料金の支払いをしないのが通常ですから,リース業者の側から履行遅滞を理由として契約を解除することになるでしょう。

リース業者によって契約が解除された場合,破産管財人はリース会社にリース物件を返還します。

リース業者のリース料請求権は別除権付き破産債権となり,リース業者はリース物件の返還を受けた場合,それを清算しなければなりません。

フルペイアウト方式でないファイナンス・リースの場合

他方,フルペイアウト方式でないファイナンス・リース契約の場合,フルペイアウト方式の場合と異なり,リース会社が,リース物件引渡義務以外に何らかの債務を負担している形態のものもあります。

したがって,必ずしも,破産法53条1項の適用は無いとは言いきれません。契約内容によっては,双方未履行双務契約として取り扱われることもあり得るでしょう。

双方未履行双務契約として扱われた場合には,前記リース物件引渡未了の場合と同様,破産管財人が契約解除または履行請求を選択し,それぞれの処理がなされることになります。

破産管財人またはリース業者によって契約が解除された場合,破産管財人はリース会社にリース物件を返還します。

リース業者のリース料請求権は別除権付き破産債権となり,リース業者はリース物件の返還を受けた場合,それを清算しなければなりません。

オペレーティング・リース契約の場合

オペレーティング・リース契約とは,「ファイナンス・リース取引以外のリース取引」に係るリース契約のことを言います(リース取引に関する会計基準6条)。

このオペレーティング・リースは,非常に多種多様です。ファイナンス・リースに近いものもあれば,それとは異なり,むしろ賃貸借契約に近い形態のものもあります。

したがって,結局は,個々の契約内容・取引形態に応じて,個別的に判断しなければならないということです。

リース契約締結後,リース物件引渡未了の段階でユーザーである法人・会社について破産手続が開始された場合は,ファイナンス・リースの場合と同様,双方未履行双務契約として処理されます。

また,リース物件引渡がすでに完了している場合でも,契約内容や取引形態によっては,双方未履行双務契約として処理されることもあり得るでしょう。

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