法人・会社の破産手続イメージ

法人・会社の破産手続

法人・会社が破産すると危険物・有害物はどうなるのか?

破産法人・破産会社の財産のうちに有害物や危険物が含まれている場合でも,破産管財人は,それを換価処分できないか試みます。換価処分できない場合には廃棄処分が必要ですが,有害物や危険物については,法令に従った調査や処理が必要となってきます。これらは,通常,資格を有する専門業者に依頼して行われます。調査や処理の依頼費用は破産財団から支出されます。費用を支出するだけの破産財団が形成されていない場合には,申立人等に対して予納金の追納が求められたり,代表者等に対して責任追及がなされることもあり得るでしょう。それでも費用の支出ができない場合などには,破産財団から放棄されることがあります。ただし,破産管財人としては,破産財団の範囲でできる限り周辺に悪影響を及ぼさないような措置をとりつつ,行政や周辺住民に適切な措置をとるよう協力を求めた上で,破産財団から放棄をしなければなりません。

以下では,法人・会社が破産すると危険物・有害物はどうなるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

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換価できない法人・会社の財産の廃棄

破産法 第34条

第1項 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は,破産財団とする。
第2項 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は,破産財団に属する。
<第3項以下省略>

破産法 第78条 第1項

破産手続開始の決定があった場合には,破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は,裁判所が選任した破産管財人に専属する。

法人・会社について破産手続開始すると,法人・会社が有していた一切の財産が破産財団に属し,破産管財人が管理処分権を有することになります(破産法34条1項,78条1項)。

換価できるかどうかは実際に換価を試みてみなければ分かりません。そのため,およそ財産的価値を観念できるものはすべて破産財団に属し,破産管財人に管理処分権が専属します。

もっとも,すべての財産が換価処分できるとは限りません。破産管財人による調査の結果,換価価値が無いと判明するものもあるでしょうし,買手がいないため実際に換価できないものもあるでしょう。

法人・会社の破産の場合,その法人・会社は最終的に消滅することになりますから,換価できない財産であるからといって,安易に破産財団から放棄することができません。

そのため,換価できない物は,破産管財人が廃棄処分するのが原則です。廃棄のための費用は,破産財団から支出されます。

ただし,廃棄のための費用を支出する財産が破産財団に無い場合には,申立人に対して予納金の追納が求められたり,代表者等に責任追及がなされたり,あるいは,例外的に破産財団から放棄されることもあり得ます。

>> 破産すると法人・会社の財産・資産はすべて処分されるのか?

土壌汚染がある土地の処理

土壌汚染とは,放射性物質を除き,鉛,砒ひ素,トリクロロエチレンその他の物質が土壌に含まれることに起因して人の健康に被害を生じさせることをいいます(土壌汚染対策法2条1項)。

薬剤を使用する工場の敷地など,破産法人・破産会社の所有する土地や賃借している土地に土壌汚染が生じているという場合があります。

土壌汚染が生じている土地であっても,破産財団に属する財産ですから,破産管財人は,それが所有物であれば換価処分を試み,賃借物であれば賃貸人に明渡しをすることになります。

破産財団から支出が可能であれば,専門業者に依頼して土壌汚染対策法や都道府県条例等に従って,汚染の調査・浄化を実施した上で,売却または明渡しを行うことになります。

この際,破産財団から土壌汚染の調査・浄化費用の全額を支出するとは限らず,買主予定者や土地所有者等に対しても,その費用について一定の負担を求めることが有り得ます。

汚染の調査・浄化費用を破産財団から捻出できない場合には,土壌汚染がされているまま売却または明渡しをせざる得ないことになります。

破産法人・破産会社の所有土地の場合,廉価での売却すらもできない場合には,破産財団からの放棄がなされることもあります。

ただし,その場合でも,破産管財人は,できる限りの汚染除去,近隣住民への説明,行政官庁への報告などを行い,必要な措置をとるよう協力を求めた上で,放棄することが必要となってきます。

産業廃棄物の処理

産業廃棄物とは「事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち,燃え殻,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物」のことをいいます(廃棄物の処理及び清掃に関する法律2条4項1号)。

破産法人・破産会社の所有する動産のなかには,廃棄処分する場合,産業廃棄物に該当することになるものも少なくありません。

産業廃棄物の中には,通常のごみとして処理してしまうと,有毒物質が発生したり,爆発などの危険を生じるものもあります。

そのため,「事業者」は,その事業活動に伴つて生じた産業廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならないとされています(廃棄物の処理及び清掃に関する法律3条1項)。

この産業廃棄物を適正に処理しなければならない「事業者」に破産管財人が含まれるかどうかについては議論がありますが,一般的には,破産管財人は「事業者」に含まれないと解されています。

とはいえ,破産管財人には一定の公益性や社会的責任も認められることからすれば,「事業者」に該当しないからと言って,産業廃棄物規制を無視して廃棄処分等をしてもよいとは言えません。

破産管財人としては,その財産を廃棄しないで済むように,できる限り換価処分を試みる必要があります。

それでも換価できない場合には,通常は,資格を有する専門の産業廃棄物処理事業者に依頼をして,法令に従った産業廃棄物の調査,処分をしてもらうことになります。その調査や処理費用は破産財団から支出されます。

産業廃棄物の調査・処理費用を支出することができない場合には,可能な限り近隣等に悪影響を及ぼさないような措置をとりつつ,近隣への説明や行政への報告等を行った上で,破産財団から放棄することもあり得ます。

PCB廃棄物の処理

PCBとは,ポリ塩化ビフェニルのことです。非常に毒性が強いため,「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」による規制がされるようになり,現在では製造されていません。

もっとも,かつては,絶縁性に優れることなどから,変圧器などに利用されていました。そのため,破産法人・破産会社の財産の中に,このPCBを使った財産が含まれていることもあります。

PCB廃棄物は有害物質ですから,通常のゴミと同じように処理することはできません。

通常の産業廃棄物と同様,保管事業者は,そのPCB廃棄物を自らの責任において確実かつ適正に処理しなければならないとされています(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法3条1項)。

この産業廃棄物を適正に処理しなければならない「事業者」に破産管財人が含まれるかどうかについては議論がありますが,一般的には,破産管財人は「事業者」に含まれないと解されています。

とはいえ,破産管財人には一定の公益性や社会的責任も認められることからすれば,「事業者」に該当しないからと言って,PCB廃棄物規制を無視して処分をしてもよいとは言えません。

破産管財人としては,その財産を廃棄しないで済むように,かなり困難ではありますが,できる限り換価処分を試みる必要があります。

それでも換価できない場合には,通常は,中間貯蔵・環境安全事業株式会社など資格を有する専門のPCB廃棄物処理事業者に依頼をして,法令に従った産業廃棄物の調査,処分をしてもらうことになります。

そのPCB廃棄物の調査や処理費用は破産財団から支出されます。

産業廃棄物の調査・処理費用を支出することができない場合には,可能な限り近隣等に悪影響を及ぼさないような措置をとりつつ,近隣への説明や行政への報告等を行った上で,破産財団から放棄することもあり得ます。

放射性物質の処理

前記のほか,破産法人・破産会社の財産の中に放射性物質が含まれている場合があります。

放射性物質についての換価処分はほとんど不可能ですので,破産管財人としては廃棄処分をする必要があります。

しかし,放射性物質の廃棄処分は,民間レベルでは到底不可能です。したがって,国レベルでの協力を求め,処理するほかないでしょう。

破産財団からの放棄の可否

破産法人・破産会社の財産は,破産管財人においてできる限り換価処分する方向で務めなければなりませんが,それでもやはり,換価できない財産はあります。

そのため,場合によっては,破産財団からの放棄をしなければならないこともあるでしょう。

とはいえ,法人破産・会社破産の場合に破産財団からの放棄をすると,管理者不在になってしまうおそれがあります。

管理者がいないとなると,有害物や危険物によって周辺に悪影響を及ぼしてしまいます。したがって,有害物や危険物は,安易に破産財団から放棄することができません。

そのため,破産管財人としては,破産財団から放棄する場合であっても,破産財団の範囲でできる限り周辺に悪影響を及ぼさないような措置をとりつつ,行政や周辺住民に適切な措置をとるよう協力を求めた上で,破産財団から放棄をしなければなりません。

>> 破産財団からの放棄とは?

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