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法人・会社の破産手続

破産財団の管理を確実にするための制度とは?

破産手続が開始されると,破産財団に属する財産の管理処分権は,破産管財人に専属することになります(破産法78条1項)。破産管財人による破産財団に属する財産の管理を確実にするため,破産法では,破産財団に属する財産の封印執行(破産法155条1項),破産財団に関する帳簿の閉鎖(破産法155条2項),破産財団に属する財産の引渡命令(破産法156条1項),警察上の援助の要請(破産法84条)などの制度が設けられています。

以下では,破産財団の管理を確実にするための制度について,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

破産管財人による破産財団の管理

破産法 第34条

第1項 破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は,破産財団とする。
第2項 破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は,破産財団に属する。
<第3項以下省略>

破産法 第78条 第1項

破産手続開始の決定があった場合には,破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は,裁判所が選任した破産管財人に専属する。

破産法 第79条

破産管財人は,就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。

破産手続開始されると,破産者である法人・会社が有していた一切の財産は,破産財団に属することになります(破産法32条1項)。

そして,その破産財団に属する財産の管理処分権は,破産法人・破産会社から剥奪され,裁判所によって選任される破産管財人に専属することになります(破産法78条1項)。

この破産管財人は,破産手続開始と同時に選任され,就任後直ちに,破産財団に属する財産の管理に着手しなければなりません(破産法79条)。

破産管財人は,各自の裁量で,適宜の方法によって,財産の調査・管理を行います。

しかし,財産保有者が非協力的であるような場合や強硬な債権者・関係者がいるような場合には,財産管理に支障をきたすこともあり得ます。

そこで,破産法では,破産管財人による破産財団の管理を確実にするために,各種の法的制度を設けています。

>> 破産財団はどのように管理されるのか?

破産財団に属する財産の封印執行

破産法 第155条 第1項

破産管財人は,必要があると認めるときは,裁判所書記官,執行官又は公証人に,破産財団に属する財産に封印をさせ,又はその封印を除去させることができる。

破産財団に属する財産が,債権者や破産法人・破産会社の関係者等によって隠匿・毀損などされるおそれがあるという事案もあるでしょう。

そのような場合,破産管財人は,必要があると認めるときは,裁判所書記官・執行官・公証人に,破産財団に属する財産に封印をさせることができます。これを「封印執行」といいます(破産法155条1項前段)。

逆に,破産財団に属する財産について,すでに封印がされている場合には,裁判所書記官・執行官・公証人に,破産財団に属する財産にされている封印を除去させることもできます(破産法155条1項後段)。

封印とは,破産財団に属する財産について,その開披,使用,その他現状の変更を禁止する処分として,権限のある公務員によって,その財産の外部に施された封緘(ふうかん)等の物的設備のことをいいます。

封印執行の場合,具体的には,対象物件や見やすい場所に,当該物件の管理処分権・占有が破産管財人に移転したこと,封印を破棄した場合は刑罰を科せられることなどを記載した公示書を貼付することになります。

封印執行を行うことができるのは,裁判所書記官・執行官・公証人ですが,実務では,大半の場合,裁判所書記官が実施することになります。

破産財団に関する帳簿の閉鎖

破産法 第155条 第1項

裁判所書記官は,必要があると認めるときは,破産管財人の申出により,破産財団に関する帳簿を閉鎖することができる。

破産財団の調査・管理をするに当たって,その財産に関する帳簿は重要な資料です。これが改変されてしまうと,破産財団の管理に重大な支障を生じるおそれがあります。

そこで,裁判所書記官は,必要があると認めるときは,破産管財人の申し出により,破産財団に関する帳簿を閉鎖することができます(破産法155条2項)。

ここで言う「破産財団に関する帳簿」とは,破産財団に関する積極財産だけでなく,消極財産(負債)に影響を及ぼす事項を記載した帳簿も含むと解されています。

破産者が会社など商人である場合,「破産財団に関する帳簿」とは,商業帳簿(会計帳簿および貸借対照表)を意味します。

帳簿の閉鎖とは,帳簿の破産手続開始当時の原状を保存するための行為をいいます。各帳簿の現物の最後に,「この帳簿を閉鎖した」旨を記載する方法で帳簿閉鎖がなされます(破産規則53条4項)。

破産財団に属する財産の引渡命令

破産法 第156条

第1項 裁判所は,破産管財人の申立てにより,決定で,破産者に対し,破産財団に属する財産を破産管財人に引き渡すべき旨を命ずることができる。
第2項 裁判所は,前項の決定をする場合には,破産者を審尋しなければならない。
第3項 第1項の申立てについての決定に対しては,即時抗告をすることができる。
第4項 第1項の申立てについての決定及び前項の即時抗告についての裁判があった場合には,その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては,第10条第3項本文の規定は,適用しない。
第5項 第1項の決定は,確定しなければその効力を生じない。

破産管財人が破産財団に属する財産を管理するためには,破産者からその財産の引渡しを受けなければなりません。

破産手続開始後,破産者から破産管財人に対して財産が引き継がれるのが通常ですが,債権者破産申立てなどの場合には,破産者が財産の引継ぎを拒絶するような場合もあり得ます。

そこで,破産管財人が迅速に財産の引渡しを受けられるようにするため,裁判所は,破産管財人の申立てにより,破産者に対し,破産財団に属する財産を破産管財人に引渡すべき旨を決定で命じることができるものとしています(破産法156条1項)。

この引渡命令は,債務名義となります。したがって,破産者が財産の引渡しをしない場合,破産管財人は,この引渡命令を債務名義として,強制執行をすることができます。

警察上の援助の要請

破産法 第84条

破産管財人は,職務の執行に際し抵抗を受けるときは,その抵抗を排除するために,裁判所の許可を得て,警察上の援助を求めることができる。

破産管財人が,破産財団に属する財産の管理等を行うに当たって,破産法人・破産会社の関係者や第三者から,妨害行為を受けることがあります。

この妨害行為から破産管財人の職務を保護するため,破産管財人は,職務執行に際し抵抗を受けるときは,その抵抗を排除するために,裁判所の許可を得て,警察上の援助を求めることができます(破産法86条)。

ここで言う「抵抗」とは,実力による妨害を意味します。有形力の行使による積極的・物理的妨害だけでなく,不退去や座り込みのような消極的人的抵抗や,脅迫などの心理的な抵抗も含むと解されています。

警察上の援助とは,警察機関の有する組織的・物理的な執行力の行使を意味します。具体的には,破産財団の管理において警察官等の立ち合いを要請するなどの援助を求めることになります。

破産管財人の調査権限

破産財団を適切に管理するためには,その前提として,破産財団に属する財産を十分に調査しなければなりません。

破産管財人は,適宜の方法によって財産調査を行いますが,破産法上,破産管財人による調査を確実にするために,破産管財人には一定の調査権限が与えられています。

破産管財人の調査権限としては,説明義務者や子会社等に対する説明請求権帳簿等の検査権が認められています(破産法83条)。

>> 破産財団に属する財産はどのように調査されるのか?

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