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法人・会社の破産手続

破産手続における税務とは?

破産管財人は破産手続の遂行者として,破産財団の調査・管理・換価処分のほか,破産者である法人・会社の税務を行わなければならない場合があります。破産管財人が行う税務としては,破産者に対する租税等の請求権の調査・確定・配当または弁済のほか,破産者の法人税や消費税等の確定申告や,破産管財人報酬等の源泉徴収事務が挙げられます。

以下では,破産手続における税務について,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

破産手続における税務

破産手続開始されると同時に,裁判所によって破産管財人が選任され,その破産管財人が,破産手続を遂行していくことになります。

破産管財人の主たる業務は,破産財団に属する破産者の財産を調査管理して換価処分し,それによって得た金銭を各債権者に弁済または配当することにありますが,それだけではなく,非常に多岐にわたる業務を行わなければなりません。

税務の処理もその1つです。

破産者の負債には,金融機関からの借入れや取引先に対する買掛金などだけではなく,租税(税金)も含まれます。当然,この租税債権も,破産者に対する債権です。

したがって,破産管財人は,他の債権と同様,租税債権についても調査をして,弁済または配当する必要があります。

逆に,租税について確定申告をすることによって,税金の還付を受けて,破産財団を増殖させなければならない場合もあります。

また,破産手続においては,破産管財人が業務遂行のために履行補助者を雇用するなどした場合,その履行補助者等に支払いをすることがありますが,それについて破産管財人が源泉徴収をしなければならないこともあります。

破産管財人は,破産管財業務の一環として,上記のような各種税務処理を行わなければならない場合があるのです。

>> 破産管財人の職務・業務とは?

破産者に対する租税債権の処理

法人・会社は,事業を行うに当たって,法人税,消費税,源泉徴収税,事業税,固定資産税,自動車税などさまざまな税金を負担します。

これら税金の支払義務も債務です。したがって,法人・会社の破産手続においては,税金の納付先である国や地方自治体も債権者となり,破産管財人は,それらの租税債権を調査しなければなりません。

破産手続において,租税債権は他の債権に対して優先的な地位を占めています。つまり,租税債権は,他の債権よりも優先的に弁済または配当を受けることができるということです。

具体的に言うと,「国税徴収法又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権」は「租税等の請求権」とされ,その債権の内容や納期限に応じて財団債権または優先的破産債権として扱われます。

財団債権は破産債権に対する配当の前に弁済をしなければなりませんし,優先的破産債権は一般破産債権,劣後的破産債権および約定劣後破産債権に対する配当の前に配当をしなければなりません。

そのため,破産管財人まず,財団債権や優先的破産債権となる租税等の請求権にはどのようなものがあるのか,その金額はいくらなのかといったことを調査し,債権額を確定する必要があります。

そして,租税等の請求権が確定したところで,破産管財人は,破産法の定めに従って弁済または配当をしていくことになります。

破産管財人が行う最も基本的な税務処理は,これら,破産者である法人・会社に対する租税等の請求権の調査,確定および弁済または配当です。

>> 法人破産において租税等の請求権はどのように扱われるか?

破産管財人による確定申告

法人・会社には,法人税や消費税等につき確定申告をしなければならない義務が課されています。

もっとも,法人・会社が破産手続が開始された場合,当該法人・会社はすでに(破産手続における清算業務に必要な範囲を除いて)法人格を失っているため,確定申告をするのは当該破産事件の破産管財人です。

破産管財人が確定申告をする場合,以下のとおり,確定申告の事業年度は通常の事業年度と異なる扱いになります。

  • 解散事業年度:事業年度開始の日から破産手続開始決定日まで
  • 清算事業年度:破産手続開始決定の翌日から通常事業年度の末日まで
  • 清算事業年度:通常事業年度末日の翌日から通常事業年度の末日まで
  • 確定事業年度:通常事業年度末日の翌日から残余財産確定の日まで

例えば,事業年度が1月1日から12月31日までであり,破産手続開始決定が平成29年1月31日,残余財産確定の日が平成31年3月1日であった場合,解散事業年度は平成29年1月1日から同月31日まで,清算事業年度第1期は同年2月1日から平成30年12月31日まで,清算事業年度第2期は平成30年1月1日から同年12月31日まで,確定事業年度は平成31年1月1日から同年3月1日まで,となります。

実務上,破産管財人が確定申告を行う場合,税理士に依頼するのが通常です。破産管財人が知己の税理士に依頼する場合もあれば,破産者である法人・会社の税務を担当していた顧問税理士に依頼することもあります。

ただし,破産財団不足が明らかであるため,破産管財人において確定申告を行わないこともあり得ます。

もっとも,確定申告をすることによって還付金が支払われる見込みがある場合には,破産管財人は,必ず,破産財団を増殖させるために確定申告を行わなければなりません。

破産管財人による源泉徴収

破産管財人は,例えば,経理処理や仕掛業務遂行のため,破産者である法人・会社の従業員を再雇用したり,第三者に依頼をしたり,または,前記確定申告のために税理士に依頼をするような場合があります。

これらの場合,破産管財人は,雇用した者に対して一定の報酬を支払うことになりますが,その報酬等について,源泉徴収をしなければならないと解されています。

また,破産管財人は,破産手続遂行の報酬を受け取ることができます。この破産管財人報酬については,破産管財人が自ら源泉徴収をしなければならないと解されています。

他方,債権者である従業員に対して給与や退職金を破産手続において弁済または配当する場合,その給与や退職金については破産管財人に源泉徴収義務がないと解されています。

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