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破産管財人の報告義務とは?

破産管財人には,破産裁判所または債権者に対して,各種の報告をしなければならない報告義務が課されています。

以下では,破産管財人が負う報告義務とはどのような義務なのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

破産管財人の報告義務

破産手続は,破産財団に属する破産者の財産を換価処分し,それによって得た金銭を債権者に対して適正・公平に弁済または配当するという手続です。この破産手続を実際に遂行していくのが破産管財人です。

もっとも,破産管財人とはいえ,自由に破産管財業務を遂行できるわけではありません。破産法の規定に従って,公正中立に業務を遂行していく必要があります。

そのため,破産管財人の業務遂行は,破産裁判所によって監督されることになります(破産法75条1項)。

その監督の実効性を担保するために,破産管財人は,破産裁判所に対して,破産管財業務の遂行について様々な場面で報告をしなければならない報告義務を負っています。

また,破産手続は,債権者に不利益を被らせることになる手続ですから,債権者の理解を得ることは非常に重要な問題です。

そして,債権者から理解を得るためには,情報の配当,すなわち,破産手続の進行状況についての情報を随時提供していくことが大事になります。

そこで,破産管財人は,破産裁判所に対して報告をしなければならないだけでなく,債権者に対しても各種の報告をしなればならないものとされています。

>> 破産管財人はどのような義務・責任を負うのか?

裁判所に対する報告義務

破産法 第88条

第1項 破産管財人の任務が終了した場合には,破産管財人は,遅滞なく,計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。
第2項 前項の場合において,破産管財人が欠けたときは,同項の計算の報告書は,同項の規定にかかわらず,後任の破産管財人が提出しなければならない。
第3項 第1項又は前項の場合には,第1項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は,破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第135条第1項本文の申立てをしなければならない。
第4項 破産者,破産債権者又は後任の破産管財人(第2項の後任の破産管財人を除く。)は,前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において,第1項又は第2項の計算について異議を述べることができる。
第5項 前項の債権者集会の期日と第1項又は第2項の規定による計算の報告書の提出日との間には,3日以上の期間を置かなければならない。
第6項 第4項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には,第1項又は第2項の計算は,承認されたものとみなす。

破産法 第89条

第1項 前条第1項又は第2項の場合には,同条第1項の破産管財人又は同条第2項の後任の破産管財人は,同条第3項の申立てに代えて,書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。
第2項 裁判所は,前項の規定による申立てがあり,かつ,前条第1項又は第2項の規定による計算の報告書の提出があったときは,その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。この場合においては,その期間は,一月を下ることができない。
第3項 破産者,破産債権者又は後任の破産管財人(第1項の後任の破産管財人を除く。)は,前項の期間内に前条第1項又は第2項の計算について異議を述べることができる。
第4項 第2項の期間内に前項の異議がなかった場合には,前条第1項又は第2項の計算は,承認されたものとみなす。

破産法 第157条

第1項 破産管財人は,破産手続開始後遅滞なく,次に掲げる事項を記載した報告書を,裁判所に提出しなければならない。
① 破産手続開始に至った事情
② 破産者及び破産財団に関する経過及び現状
③ 第177条第1項の規定による保全処分又は第178条第1項に規定する役員責任査定決定を必要とする事情の有無
④ その他破産手続に関し必要な事項
第2項 破産管財人は,前項の規定によるもののほか,裁判所の定めるところにより,破産財団に属する財産の管理及び処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。

前記のとおり,破産管財人は様々な場面で破産裁判所に対して破産管財業務について報告をしなければならない義務を負っています。

まず,破産管財人は,破産手続開始決定と同時に破産裁判所によって選任され(破産法31条1項),就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならないとされています(破産法79条)。

そして,破産管財人は,破産手続開始後遅滞なく,破産法157条1項各号に定められた事項を記載した報告書を,裁判所に提出しなければならないとされています(破産法157条1項)。

また,それだけでなく,裁判所から要請があれば随時,破産財団に属する財産の管理および処分の状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならないとされています(破産法157条2項)。

さらに,破産管財人は,その任務が終了した場合には,遅滞なく,計算の報告書を裁判所に提出しなければならないとされています(破産法88条1項)。

>> 破産管財人は裁判所に対してどのような報告義務を負うのか?

債権者に対する報告義務

破産法 第158条

財産状況報告集会においては,破産管財人は,前条第1項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。

破産法 第159条

破産管財人は,債権者集会がその決議で定めるところにより,破産財団の状況を債権者集会に報告しなければならない。

前記のとおり,破産管財人は,破産裁判所に対して報告義務を負っているだけでなく,情報の配当として,債権者に対しても破産管財業務の遂行状況等を報告すべき義務を負っています。

まず,破産管財人は,債権者も出席する財産状況報告集会において,破産法157条1項各号に定める事項の要旨を,報告しなければなりません(破産法158条)。

また,破産管財人は,債権者集会の決議で定められた場合,破産財団の状況を債権者集会で報告しなければならないとされています(破産法159条)。

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