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破産管財人は源泉徴収を行うのか?

破産管財人は,管財業務において雇用した履行補助者に対する給与などの支払いや,税理士に依頼した場合の報酬の支払いについて,源泉徴収をしなければなりません。また,破産管財人報酬についても,自ら源泉徴収をしなければならないと解されています。

以下では,破産管財人は源泉徴収を行うのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

破産管財人による源泉徴収

破産管財人は,破産法の定めに従って,破産法人・破産会社の財産を調査・回収・管理換価処分して破産財団を形成し,各債権者に対して弁済または配当を行います。

破産手続において弁済または配当される債権には,金融機関からの借入れや買掛金などだけではなく,税金などの租税債権も含まれます。

したがって,破産法人・破産会社が,従業員を雇用して給与を支払う際や税理士に依頼して報酬を支払う際に,所得税の源泉徴収をしていたものの,その源泉徴収所得税を納付しないまま破産手続が開始された場合には,その未納付の源泉徴収所得税は,破産手続において,破産管財人が弁済することになります。

もっとも,破産手続において源泉徴収が問題となるのは,上記の破産法人・破産会社の未納源泉徴収所得税だけではありません。

破産管財人が破産管財業務を遂行するに当たって,履行補助者を雇用したり,税務処理のために税理士に依頼をして,その給与や報酬を支払う場合や,破産管財人報酬を受領する場合も,源泉徴収すべきかどうかが問題となってきます。

>> 破産管財人が行う税務とは?

破産管財業務における源泉徴収

破産管財人は,破産管財業務を行うに当たって,履行補助者を雇用したり,他の弁護士や税理士等の各分野の専門家に依頼をする場合があります。

たとえば,破産法人・破産会社に仕掛業務が残っており,それを完成させるために,元従業員を履行補助者として雇用するような場合があります。

また,破産管財業務における税務や会計を処理するために,税理士や公認会計士に依頼をしたり,破産管財業務のための訴訟の遂行などを他の弁護士に依頼するようなこともあります。

それらの場合,破産管財人は,履行補助者に賃金を支払い,税理士等に報酬を支払うことになりますが,この場合,破産管財人は源泉徴収を行わなければならないとされています(所得税法183条,204条)。

したがって,破産管財人は,上記の賃金や報酬を支払う場合には,源泉徴収をした上で,徴収日の属する月の翌月10日までに源泉徴収した所得税を納付しなければなりません。

破産管財人報酬の源泉徴収

破産管財人は,破産管財業務を完了したとき,その業務の対価として,破産財団から破産管財人報酬を受け取ることができます。

この破産管財人報酬の額は,破産財団の状況,債権額や管財業務の難易などに応じて,破産裁判所が決定します。

この破産管財人報酬は,金額を決定するのは裁判所ですが,その決定された金額を支払うのは破産管財人自身であると捉えられています。

つまり,破産管財人が,自分に対して支払うということです(厳密に言えば,破産管財人という機関が,破産管財人を務めていた弁護士個人に対して支払うという形です。)。

破産管財人が破産管財人報酬を(自分に対して)支払う場合,当該破産管財人は所得税法204条1項の「支払をする者」に該当し,破産管財人は弁護士であることから,源泉徴収をしなければならないと解されています(最二小判平成23年1月14日)。

したがって,破産管財人は,破産管財人報酬を支払い自ら受領する場合には,源泉徴収を行い,その徴収日の属する月の翌月10日までに源泉徴収した所得税を納付しなければならないということです。

なお,破産管財人報酬について源泉徴収をしなければならないのは,破産者が法人である場合に限られ,破産者が個人である場合には,源泉徴収義務がないと解するのが一般的です。

労働債権に対して弁済または配当をした場合

前記のとおり,破産管財人が,管財業務を行うに当たって履行補助者を雇用した場合には,その賃金の支払いにおいて源泉徴収をしなければならないとされています。

それでは,管財業務としてではなく,財団債権または破産債権として元従業員に未払い給料等の労働債権を弁済または配当した場合にも,源泉徴収をしなければならないのかが問題とってきます。

この点については,財団債権または破産債権として給料等に対して弁済または配当をしたとしても,源泉徴収をする必要はないと解されています。

前記最二小判平成23年1月14日において最高裁判所は,優先的破産債権である未払い退職手当請求権に対する配当をするに当たって,破産管財人は源泉徴収義務を負わない旨の判断をしています。

この判例は,優先的破産債権である退職手当請求権に関して判断したものですが,一般の破産債権である給料請求権や,財団債権である給料・退職金等の請求権についても射程が及ぶと解されています。

つまり,破産管財人は,財団債権・破産債権である給料や退職金などの賃金債権を弁済または配当する場合でも源泉徴収をする必要はないということです。

なお,上記判例では,賃金以外の税理士等に対する報酬はどうなるのかについては判断されていませんが,同様に解する余地があるでしょう。

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