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法人・会社の破産手続

破産手続でも調査嘱託・文書送付嘱託は認められるか?

調査嘱託とは,裁判所が,官庁,公署,外国の官庁・公署,学校,商工会議所,取引所,その他の団体に対して,必要な調査をするよう嘱託することをいいます(民事訴訟法186条)。文書送付嘱託とは,裁判所が,当事者の申立てにより,文書の所持者に対してその文書の送付を嘱託することをいいます(民事訴訟法226条)。破産手続においても,破産法13条により,この調査嘱託や文書送付嘱託の規定が準用されると解されています。したがって,破産管財人は,この調査嘱託や文書送付嘱託を利用して調査を行うことができます。

以下では,破産手続においても調査嘱託・文書送付嘱託は認められるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

破産管財人の調査権限

破産手続の目的は,破産者の財産を換価処分して,それによって得られた金銭を,各債権者に対して公平・平等に分配することにあります。

この目的を達するためには,破産者の財産や負債を十分に調査しておかなければなりません。この財産や負債の調査は,裁判所によって選任される破産管財人が行います。

この破産管財人による調査の実効性を確保するため,破産法では,破産管財人に,説明義務者等に対する説明請求権や,帳簿等の検査権転送郵便物を開披する権限などが付与されています。

もっとも,第三者について調査をしなければならない場合には,上記の権限を行使しても十分な成果は得られません。

そこで,民事訴訟において認められている裁判所による調査嘱託や文書送付嘱託を,破産手続において利用することができないかということが問題となってきます。

>> 破産管財人はどのような調査を行うのか?

民事訴訟における調査嘱託

民事訴訟法 第186条

裁判所は,必要な調査を官庁若しくは公署,外国の官庁若しくは公署又は学校,商工会議所,取引所その他の団体に嘱託することができる。

民事訴訟においては「調査嘱託」と呼ばれる証拠調べの方法が認められています(民事訴訟法186条)。

調査嘱託とは,裁判所が,官庁,公署,外国の官庁・公署,学校,商工会議所,取引所,その他の団体に対して,必要な調査をするよう嘱託することをいいます。

この調査嘱託を用いることにより,民事訴訟においては,当事者でない第三者である官公庁などに対して,その官公庁等が把握している事実関係や証拠資料の有無等を調査することが可能となります。

民事訴訟における文書送付嘱託

民事訴訟法 第226条

書証の申出は,第219条の規定にかかわらず,文書の所持者にその文書の送付を嘱託することを申し立ててすることができる。ただし,当事者が法令により文書の正本又は謄本の交付を求めることができる場合は、この限りでない。

民事訴訟において,当事者は,各自の主張を立証するために,自ら保有する証拠を申し出なければならないのが原則です(民事訴訟法219条)。

もっとも,当事者は,証拠となり得る文書を所持者に対してその文書を送付するよう嘱託することを申し立てることができます。

この申立てが適法になされた場合,裁判所は,文書所持者に対してその文書を送付するよう嘱託します。「文書送付嘱託」と呼ばれています(民事訴訟法226条)。

この文書送付嘱託を利用することにより,民事訴訟法においては,当事者でない文書所持者などから文書を提出してもらうことが可能となります。

破産手続における調査嘱託・文書送付嘱託の可否

民事訴訟法 第13条

破産手続等に関しては,特別の定めがある場合を除き,民事訴訟法の規定を準用する。

破産手続においても,破産法40条の説明義務者などからの事情聴取だけでは,破産者である法人・会社の財産関係等がはっきりしないことがあります。

この場合,破産管財人は,官公庁などの団体や文書所持者に対する調査を行う必要が生じることもあります。

官公庁等や文書所持者に対する調査の方法としては,単純に,破産管財人であること,破産財団や債権の調査のために必要であることを示して照会書を送付するだけの場合や,弁護士会による弁護士法23条の2に基づく照会(いわゆる「23条照会」)を利用する場合もあります。

これらの方法で,回答をしてくれることも少なくありません。しかし,これらの照会では回答を渋ったり,まったく回答をしてくれないような相手方がいることも確かです。

そこで,前記民事訴訟における調査嘱託や文書送付嘱託を利用できないかが問題となってくるわけです。

この点について,破産法13条は,特別の定めがある場合を除いて,破産手続においても民事訴訟法の規定が準用されるとしています。

そして,調査嘱託や文書送付嘱託を破産手続から除外する旨の特別の定めはありません。

したがって,破産手続においても,調査嘱託や文書送付嘱託を利用できると解されています。

形式的に言えば,23条照会においても,相手方はこれに応じるべき公法上の義務があると解されていますから,23条照会と裁判所による調査嘱託や裁判所を介して行われる文書送付嘱託は,さほど法的な効果や意味合いが異なるものではありません。

しかし,実際には,やはり「裁判所」が関与しているというのは大きいのでしょう。通常の照会や23条照会では回答してくれない相手方でも,調査嘱託や文書送付嘱託に応じてくれることがあります。

そのため,実務でも,破産管財人の夜調査において,調査嘱託や文書送付嘱託が利用されることは少なくありません。

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