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破産手続において留置権はどのように扱われるか?

留置権には,民法上の民事留置権と商法上の商事留置権があります。民事留置権は,別除権とはならず,その被担保債権は一般の破産債権として取り扱われます。他方,商事留置権は,特別の先取特権とみなされているため,別除権として取り扱われることになります。

以下では,破産手続において留置権はどのように扱われるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

留置権とは?

留置権とは,他人の物の占有者がその物に関して生じた債権を有するときに,その債権の弁済を受けるまで,その物を留置することができる担保物権のことをいいます。

例えば,パソコンを修理に出して,修理業者にパソコンを引き渡した場合,その修理業者は修理代金が支払われるまで,留置権を行使して,そのパソコンを自分のところにとどめ置いておくことができます。

この留置権には,民法上の留置権(民事留置権)と商法上の留置権(商事留置権)があります。

これら留置権は実体法上優先権を有する担保権とされています。そこで,破産手続においても,その優先的な地位が一定範囲で認められています。

破産手続における民事留置権

破産法 第66条 第3項

第1項に規定するものを除き,破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する留置権は,破産財団に対してはその効力を失う。

民法上の留置権(民事留置権)も担保物権の1つです。もっとも,民事留置権には,物を留置するこによって債権の弁済を促すという効力はありますが,優先弁済効はありません。

そのため,民事留置権は,上記破産法66条3項のとおり,民事留置権は,破産財団に対しては効力を失うとされています。つまり,担保物権ではありますが,破産手続における別除権とはならないということです。

また,破産財団に対しては留置権の効力は失われますので,留置権の被担保債権は,一般の破産債権として取り扱われるにすぎないということになります。

したがって,民事留置権の被担保債権は,一般の破産債権として,他の債権と同様に,破産手続においてしか権利行使できず,配当によって債権を満足できるだけにとどまるということです。

加えて,留置権の効力が失われる以上,留置的効力も失われるため,破産管財人は,その留置権者に対して,目的物の返還を求めることができます。

なお,被担保債権が財団債権である場合にも留置権は効力を失うのかどうかについては,肯定説と否定説で争いがあります。

条文の文言に素直に従えば,被担保債権が財団債権であっても,破産手続の開始によって,留置権は効力を失うということになるでしょう。

>> 破産手続における別除権とは?

破産手続における商事留置権

破産法 第66条

第1項 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法 又は会社法 の規定による留置権は,破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。
第2項 前項の特別の先取特権は,民法 その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。

破産法 第2条 第9項

この法律において「別除権」とは,破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき特別の先取特権,質権又は抵当権を有する者がこれらの権利の目的である財産について第65条第1項の規定により行使することができる権利をいう。

前記のとおり,民事留置権は別除権とはなりませんが,商事留置権については,上記破産法66条1項により,破産財団に対しては特別の先取特権とみなされています。

そして,特別の先取特権としてみなされるということは,破産法2条9項のとおり,別除権が認められるということです。

したがって,商事留置権は別除権となり,破産手続によらずに(破産手続外で)担保権を実行できるということです。

具体的にいえば,特別の先取特権の実行として競売申立てをすることができ,その競売による売却代金から優先的に弁済を受けることができることになります。

ただし,上記破産法66条2項のとおり,商事留置権は,他の特別の先取特権よりも順位が後れるとされています。したがって,他の特別の先取特権がある場合には,商事留置権に対する弁済はそれらの後になされることになります。

また,破産管財人は,商事留置権の目的財産を破産財団に回復した方が,破産財団の価値の維持や増加に資する場合は,裁判所の許可を得て,当該財産価値相当額を弁済することによって,留置権の消滅を請求できるものとされています(留置権消滅制度。破産法192条)。

>> 別除権はどのように行使されるのか?

留置権者が破産した場合

前記までは,留置権の被担保債権の債務者が破産した場合の取扱いです。

留置権者が破産者である場合は,破産管財人は留置権を行使して,被担保債権の弁済があるまで目的物を留置しておくことができます。また,一定の場合には,競売を申し立てることも可能です。

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